内容証明が届いた場合 |
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内容証明が届いた場合の返事は必要なのでしょうか。これについては、一定の事由を除き、内容証明で回答する必要はないと考えられます。 内容証明を受け取ったら、まず書かれている内容を良く読み、書かれていることが真実か否か、こちらに義務違反等がないかを確認し、義務違反等があるのであれば義務を履行することが重要です。 では、内容証明に書かれていることが事実とは反する場合、若しくは義務違反は確かに存在するが正当な理由がある場合は、どうすれば良いのでしょうか?例えば相手方に責任がある場合などです。 内容証明は郵便の一種であり手紙です。通常であれば手紙をもらえば、返事を返すということはマナーであります。そこで、内容証明にも返事は必要なのか、そしてその返事は同じように内容証明で出すべきなのかという問題があります。 内容証明の場合、必ずしも返事が必要というわけではありません。事案によっては、あえて何の返答もしないこともあります。また、内容証明の返事は何も内容証明でする必要はありません。事案によっては内容証明で返事を出した方が良い場合もありますが、ほとんどの事案の場合、普通郵便、電話、メール、FAX等でも問題ありません。 では、返事を出さなければいけない事案というのはどのような事案なのでしょうか。以下に一例を挙げてみました。 (1)遠隔地の事業者から契約の申し込みがあった時 (2)通常の商取引の申し込みがあった時 (3)制限能力者の能力回復後の追認請求 (4)無権代理についての追認請求 (5)選択債権の選択請求の通知を受けた時 (6)解除するか否かの通知 (7)相続を受けるか否かの通知 上記は、返答をしないと不利益になる事例ですが、たとえ不利益がなくても、送られた内容証明に返答を出さないと相手の言い分をすべて認めたようで納得がいかないと思う人も多くいます。 そのような場合、気をつけなくてはならないことがあります。「必要以上のことは書かない」ということです。相手方はこちらの考えや情報を引き出したくて内容証明を送付していることも考えられます。 例えば、借用書のない貸金契約の場合です。借用書がないので貸金契約が確かにあったことを証明できないのです。そこで、内容証明の通知後、相手方からの内容証明による回答で「借りたお金はいついつまでに返します。」という文面がくれば、債務について認めたことになり、借用書がなくても契約が存在することを立証することが可能になります。 つまり、内容証明に対する返答は、一定の事由を除き、内容証明で回答する必要はなく、むしろ口頭や普通郵便の方が証拠として残りにくいため不利になることが少ないのです。もちろん、モラルやマナー的には返事は必要ですが、事案によって検討するほうが良いでしょう。 |
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