消費者保護に関する内容証明 |
悪徳商法とクーリングオフ |
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●全国の消費生活センター、消費者団体や国民生活センターの相談窓口には、年間80万件を超える消費者からの苦情相談が寄せられています。この苦情相談の多くがいわゆる悪徳商法と呼ばれる取引被害の相談です。一口に悪徳商法といっても、その形態や手口も様々です。単純に言えば悪徳商法とは人が本来持っている弱みや愚かさにつけ込み暴利を得る商売です。 悪徳商法は被害に遭うのを未然に防止するのが一番ですが、被害に遭った場合に、使い方によって最も効果的なのがクーリングオフの制度です。 クーリングオフとは、たとえ契約申し込みや契約の締結をしてしまっても、一定の期間内に特にその適用を除外されるような事情のない限り、理由の如何を問わず、顧客が一方的に業者との契約を解消できることであり、このような権利を法が特に認めているものです。 ※詳しくはこちらをご覧ください→クーリングオフ ●悪徳商法の手口(悪質リフォーム業者編) 悪質リフォーム業者とは、必要が無いのに家屋のリフォームや修繕を高額で契約締結しようとする業者の事です。対象となっている工事内容も様々で、柱や屋根、水回りの工事等が多いようです。リフォームとは少し異なりますが、シロアリ等の害虫駆除関連も多いようです。お年寄りが狙われるケースが多いように思われがちですが、決してお年寄りだけが狙われている訳ではありません。 悪質リフォーム業者の主な手段として、突然訪問してきて「お宅の屋根は危ない、すぐに工事をしないと倒壊の危険がある」などと言って、被害者を不安にさせる手口です。また、点検サービスと言いつつ、「点検の結果、すぐに修繕しないと危ない状態である事がわかりました」と高額な工事契約を締結させる手口も多くあります。よほど家について詳しい人でない限り本当に工事が必要かどうかわかりませんから、悪質業者の言う事が正しいかどうかはわかりません。 では、悪質リフォーム業者の被害にあわないためにはどうすれば良いのでしょうか。まず、即決しない事です。悪質リフォーム業者は、その場で契約の締結を迫る事が多く、逆に考えれば即決を迫る業者は悪質リフォーム業者である可能性が高いと言えます。その場で即決をせず誰かに相談し、本当に工事が必要かどうかを判断しなければなりません。参考までに即決しなかった場合、再度悪質リフォーム業者より接触がある事は少ないようです。 また、お年寄りが狙われるケースに多いのですが、親切な営業マンを装って契約を迫るケースも少なくありません。一人暮らしのお年寄りは普段、若者に親切にされる機会が少ないためか、このような手口で迫る事が多いのです。親身になってくれる人が言う事だから本当なのだろうと思い込ませる手口が多く確認されています。この場合も即決はせず、誰かに相談するようにしなければなりません。 悪質リフォーム業者に限らず、悪質業者の多くに契約するまで居座るということがあります。こちらが契約する意思がないとわかると脅迫的な態度に出たり、居座るといったケースは、決して珍しい事ではありません。 消費者契約法では、営業マンに帰って欲しい旨伝えているのに、それに従わず居座り続け契約をさせた場合、その契約は取り消すことができる(消費者契約法4条3項1号)と定めています。ただ、居座り続けたり脅迫した等の行為は証明する事が容易ではなく、業者側がそのような事実はなかったと主張すれば紛争は続く事になります。 また、本当は工事など必要ないのに、必要と偽って契約を締結させた場合は虚偽の事実を告げた事により消費者契約法4条1項1号で取り消す事が可能です。工事が本当に必要であったかどうかは、第三者が判断すれば良いので契約は解除しやすいでしょう。 悪質リフォーム業者の手口は年々巧妙になっており、その手段も多岐に及び、常に新しい手口で迫ってきます。常に危機管理を持って契約をしなければならない時代になった事は悲しい事ですが、現実問題として、個人の危機管理が問われる時代になっている事は確実です。 以上のような悪質リフォーム業者に対して、内容証明は効果があります。内容証明くらいでは引き下がらない悪質業者もありますが、こちらに戦う意思があるという通知として内容証明は効果的です。泣き寝入りするくらいなら、何か行動を起こすべきです。悪徳商法でお悩みの方は当事務所にご相談下さい。きっと何か良い方法が見つかるはずです ●悪徳商法の手口(ネガティブオプション編) ネガティブオプションとは、頼んでもいない商品を勝手に宅配便などで送りつけてきて、契約意思がなければ返送し、さもなくば代金を払えと脅す悪徳商法のことです。 契約というのは契約の「申込」と「承諾」が一致した時にはじめて成立します。 商品を勝手に送りつけてくる行為は、契約の「申込」に当たりますが、それを「承諾」するかどうかは自由であり、また、それに承諾するしないを返答する義務もありません。 「〜日以内に購入を希望しない旨返答がなければ、契約成立とみなす。」等の手紙が添えられていたとしても、こちらが承諾しない以上、契約は成立しませんので、無視しても構いません。 また、「購入を希望しなければ、〜日以内に返送せよ。」等と言ってきても、勝手に送りつけてきたのですから、返送する義務もありません。 ただ、だからといって即座に捨てていいかというと、一応所有権はその悪徳業者にあるので、消費者が勝手に処分することはできません。 特定商取引法では、このような場合「商品が送付されてきた日から14日経過するまでに、消費者が「承諾」をせず、且つ業者が商品を自ら引取りに来なければ、もはやその業者は消費者に対して商品の返還を請求できない。」となっています(特定商取引法59条)。 また、消費者が業者に商品の引取り請求をした日から7日経っても引取りに来ない場合も、同様に返還請求ができません(特定商取引法59条)。 ちなみにもし業者が「代金着払いで返送してくれ」と言ったとしても、引取りをしたことにはなりません。 例え代金着払いといえども、消費者が発送手続きの労力を強いられるいわれはないのです。業者自らが引取りに来なければなりません。 商品が送付されてきた日から14日又は引取り請求から7日の期限を過ぎても業者が引取りに来なければ、業者は返還請求できない(所有権の主張ができない)わけですから、消費者はその後、その商品をどう処分しても構いません。 ●マルチ商法とネズミ講の違いは、何でしょうか? マルチ商法もネズミ講も、組織に加入者を増やすことによって、ピラミッド型に収入が増えていくシステムですが、組織の上位にあたる人は儲かり、末端はマイナスになるようになってます。 マルチ商法は、加入者に新たな加入者を勧誘して獲得すれば利益を得られるようになっており、加入者は入会金や商品を購入しなければなりません。マルチ商法は、違法ではありませんが特定商取引法によって厳格に規制されています。 ネズミ講の対策として施行された法律が無限連鎖法です。加入者が、後から加入した人から金銭や証券を受け取るシステムの配当組織で、現在は無限連鎖法で禁止されております。ネズミ講は運営者だけでなく、加入を勧誘した者も罰則があります。 マルチ商法とネズミ講の違いと言えば、商品を間に扱うのがマルチ商法で、単に金銭等の場合はネズミ講になるのですが、システム自体は同様で必ず行き詰ることになります。特に最近ではインターネットの普及により、被害が拡大しています。メール等で勧誘される場合も十分にあると思いますので、注意が必要です。
その他 クーリングオフ以外にも、消費者救済の手段として消費者契約法があります。消費者契約法は、事業者と消費者の商品に関する知識量の結果生じる不利益のために定められた法律です(消費者契約法1条)。 消費者契約法4条では、以下のような場合に契約を解除する事ができると定めています。 (1)契約内容や契約条件に関する重要事項について虚偽の説明をすること(不実の告知)。 (2)将来得られる利益が不確実な契約について確実であるかのような「断定的判断の提供」をすること。 (3)契約の重要事項について有利な面ばかりを強調して、不利な点を隠すこと(不利益事実の不告知)。 (4)事業者に対し購入する意思がない旨告げたにも関わらず、事業者がその場から退去しないこと(不退去)。 (5)契約締結の場から退去したい旨意思表示したにも関わらず、事業者が退去を妨害すること(退去妨害)。 消費者契約法を行使できる期間は、誤解に気づいた時や困惑から脱した時から6ヶ月間(消費者契約法7条1項)です。よって、クーリングオフ期間を過ぎてしまい、クーリングオフできなくなってしまった悪徳商法についても契約を解除する事が可能な場合があります。 さらに、事業者の債務不履行や不法行為による損害賠償義務を一切免除する条項など、消費者に一方的に不利益を与える不当な条項は無効とされています(消費者契約法8条〜10条)。 以上のように、消費者保護に関する法整備は整いつつあり、消費者が泣き寝入りをしなくて済むようになってきています。 悪徳商法等で、契約の解除が無理だと1人で判断せず、相談してみる事も必要です。当事務所では、悪徳商法からの救済に力を入れて取り組んでおります。悪徳商法でお悩みの場合はお気軽にご相談下さい。
※上記は一例であり、実際には様々な事実・利害関係があります。十人十色と言いますが、「私の場合はこうなのだけれど・・・」という場合は、渡辺行政書士事務所にご相談ください。内容証明に限らず、様々な提案をさせていただきます。
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