会社・法人に関する内容証明


株式会社に関するトラブル


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株式会社における内容証明

会社設立
 会社を設立する方法には、発起設立募集設立があります。発起設立とは設立の企画者である発起人のみが設立後の会社の株主となる方法です。身内や知人などだけで設立する場合ともいえます。募集設立とは発起人以外の者からも株主を募集し、資金を集める方法です。資金をたくさん集める必要がある場合などに適しています。

会社の設立に際して、発起人に悪意または重大な過失があれば、その発起人は第三者に対しても連帯して損害賠償の責任を負うことになっています。この第三者には株主も含まれますので、株主として発起人に対し損害賠償を求めることができます(会社法53条会社法54条)。

株券株式
 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければなりません(会社法215条1項)。しかし、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができます(会社法215条4項)。

株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができます(会社法217条1項)。この規定による申出を受けた株券発行会社は、遅滞なく、前項前段の株式に係る株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければなりません(会社法217条3項)。

会社法217条1項の規定による申出をした株主は、いつでも、株券発行会社に対し、会社法217条2項前段の株式に係る株券を発行することを請求することができます(会社法217条6項)。

株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができません(会社法130条1項)。

株主総会
 総株主の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主は、取締役に対し、株主総会の目的である事項(当該株主が議決権を行使することができる事項に限る。)及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます(会社法297条1項)。

総会招集の請求があった後、遅滞なく招集手続きがなされないとき、または請求の日から8週間内の日を会日とする招集の通知が発せられないときは、請求をなした株主は裁判所の許可を得て、総会を招集することができます(会社法297条4項)。

株主の請求
 発行済株式総数の100分の3以上にあたる株式を有する株主は、会計の帳簿及び書類の閲覧・謄写を求めることができます(会社法433条1項)。この権利を代理人に行使させたりすることもできます。そして、帳簿閲覧権の行使は、理由を付した書面をもってしなければなりません(会社法433条1項)。この場合も内容証明郵便ですることをお薦めします。

取締役は会社法433条2項に規定される除外事由がない限り、株主からの閲覧請求に応じなければなりません。相当の理由がないのに株主の閲覧請求を拒否した場合は、取締役はその株主に対し損害賠償の責任を負うことがありますし、会社もその責任を負うことがあります。

取締役
 取締役は会社に対しては善良な管理者の注意をもって委託事務を処理する義務のほか、さらに法令や定款の定め及び株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実にその職務を遂行する義務があります(会社法355条)。それらの各義務に違反して会社に損害を与えた場合は、会社に対して損害を賠償しなければなりません。

内容証明で取締役に損害賠償を請求するには、上記の一般的な義務とは別に、会社法で取締役に対し特別の義務を認めていますから、取締役の行為がどれにあたるのかを具体的に記載しなければなりません。

株主代表訴訟(責任追及等の訴え)
 会社法では、株主が会社に代わって取締役の責任を追及する訴訟を認めています。これが株主代表訴訟(責任追及等の訴え)です。6ヶ月以上株主であれば、代表訴訟を起こすことができます(会社法847条1項)。

株主が代表訴訟を起こすには、まず会社に対して書面で取締役の責任を追及する訴えを起こすように請求することが必要です(会社法847条1項)。会社に対する請求する書面も内容証明郵便で行うべきです。書面には責任を追及すべき取締役の名前、責任を追及できる理由、責任追及の訴訟を起こすようにという請求を書きます。

会社が、この書面を受け取った日から60日以内に訴えを起こさないときに、はじめて株主は代表訴訟を起こすことができます(会社法847条3項)。ちなみに会社がその取締役に訴訟を起こしたときは、株主は代表訴訟を起こせません。今後、株主代表訴訟は増えることが予想されています。

 ※その他、株式会社に関するトラブルの一例を挙げておきました。

◆ 株式会社に関する内容証明の例
  ● 会社設立
発起人に対する現物出資の不足価額補填を請求する内容証明
発起人に損害賠償を請求する内容証明
議決権行使書面の閲覧を請求する内容証明
  ● 株式
共有株式の権利行使者の届けをする内容証明
株式譲渡の申し込みをする内容証明
株主総会に先立つ議案の反対を通知する内容証明
反対株主の株式の買取を請求する内容証明
新株予約権の買取を請求する内容証明
単元未満株式の買取を請求する内容証明
取得請求権付株式の買取を請求する内容証明
譲渡制限株式の売渡を請求する内容証明
株式の譲渡を承認する内容証明
株式売買契約の解除を通知する内容証明
株主名簿の名義書き換えを請求する内容証明
株主名簿記載事項証明書の交付を請求する内容証明
  ● 株券
株券の発行を請求する内容証明
株券の不所持を申し出る内容証明
株券の喪失登録を申請する内容証明
株券の喪失登録を抹消する内容証明
株券の再発行を請求する内容証明
株券不発行会社となることを通知する内容証明
  ● 株主総会
株主総会を招集を請求する内容証明
株主総会の議題を提案する内容証明
議決権不統一行使に関する通知をする内容証明
累積投票による取締役選任を請求する内容証明
  ● 役員等
取締役から辞任を申し出る内容証明
代表取締役の解任を通知する内容証明
取締役へ解任を通知する内容証明
第三者が取締役に損害賠償を請求する内容証明
取締役の行為の差し止めを請求する内容証明
監査役の取締役に対する業務報告を催告する内容証明
監査役の子会社に対する業務報告を催告する内容証明
株主代表訴訟の前提手続きとして行う役員等に対する訴えの提起を請求する内容証明
不提訴理由の説明を請求する内容証明
  ● 事業譲渡組織再編
事業譲受会社に対する債権の弁済を請求する内容証明
事業譲渡会社に対する競業の禁止を通知する内容証明
株主総会に先立つ議案反対の通知をする内容証明
反対株主の株式買取を請求する内容証明
異議申述の催告をする内容証明
  ● その他
商号の使用差止を請求する内容証明
会計帳簿の閲覧を請求する内容証明
広告掲載依頼を拒否する内容証明
面談要求に対する回答をする内容証明
株主名簿の閲覧請求を拒否する内容証明
取締役会議事録の閲覧請求に対する回答をする内容証明
詐害行為への警告をする内容証明
資本金減少に対する異議申述を催告する内容証明
資本金減少に対して異議を申し述べる内容証明
貸借対照表等計算書類の謄本を請求する内容証明

その他の法人

●会社の種類と特徴

株式会社とは? 合同会社とは? 合資会社とは? 合名会社とは
下記に4種類の会社の比較一覧表を載せておきましたので、参考にしてください。

  株式会社
(株式非公開)
株式会社
(株式公開)
合同会社 合資会社 合名会社
最低資本金 1円以上 1円以上 1円以上 規定なし 規定なし
必要な出資者の人数 1人以上 1人以上 1人以上 2人以上 2人以上
定款の認証 必要 必要 不要 不要 不要
出資者の公募 可能 可能 不可 不可 不可
出資者の責任 有限責任 有限責任 有限責任 有限・無限責任 無限責任
代表者 代表取締役 代表取締役 社員 社員 社員
取締役の人数及び任期 1人以上
任期は原則2年
3人以上
任期は原則2年
なし なし なし
監査役の人数及び任期 任意
任期は原則4年
1人以上
任期は原則4年
なし なし なし
最高意思決定機関 株主総会 株主総会 社員全員の一致 社員全員の一致 社員全員の一致

※「社員」とは、通常私たちが使っているサラリーマンという意味ではなく、「会社を設立・構成する人員」という意味です。

◆ その他の法人の内容証明の例
  ● 持分会社(合同会社・合資会社・合名会社)
持分譲渡承認願いをする内容証明
第三者の社員に対する弁済を請求する内容証明
退社の通知をする内容証明
退社を勧告する内容証明
商号変更を請求する内容証明
持分払戻を請求する内容証明
  ● 協同組合
持分譲渡承認願いをする内容証明
脱退通知をする内容証明
除名通知をする内容証明
持分払戻を請求する内容証明
議事録閲覧を請求する内容証明
会計帳簿等閲覧を請求する内容証明

※上記は一例であり、実際には様々な事実・利害関係があります。十人十色と言いますが、「私の場合はこうなのだけれど・・・」という場合は、渡辺行政書士事務所にご相談ください。内容証明に限らず、様々な提案をさせていただきます。

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