請負契約Q&A集


★ 請負契約に関する相談事例などをQ&A形式にして抜粋しています。回答に関しては、根拠条文や判例なども可能な限り掲載しています。請負契約に関する相談事例も随時追加していきますので参考にしてください。

Q1 注文者が材料の全部を供給した場合の所有権の帰属について
Q2 下請負人が材料を提供した場合の所有権の帰属について
Q3 請負人に下請負禁止特約がある場合の効果について
Q4 損害賠償請求権と報酬債権の相殺ついて
Q5 請負人の担保責任について
Q6 請負人の履行遅滞について
Q7 請負人が第三者に損害を与えた場合の注文者の責任について
Q8 労働契約(雇用契約)と請負契約の違いについて


請負契約Q&A

Q1:建物新築の請負契約に当たり、注文者が材料の全部を供給した場合は特約の有無にかかわらず、注文者に所有権が帰属する?

A1:誤り。

所有権は?
注文者が材料の全部を供給した場合 特約のない限り注文者に帰属(大判昭7.5.9)。
請負人が材料の全部を供給した場合 特約のない限り請負人に帰属
 ↓
引渡しにより注文者にはじめて所有権が移転する(大判明37.6.22)。
特約のある場合 特約に従う(大判大5.12.13)。

Q2:下請負人が材料を提供した場合の所有権は?

A2:請負人は仕事の完成を第三者に請け負わせることができます。このとき、下請負人が材料を提供して仕事を完成させた場合は、元請負人に目的物を引き渡さない限り、下請負人に所有権は帰属します(大判大4.10.22)。

Q3:請負人に下請負禁止特約がある場合、これに反してなした下請負契約は当然に無効となる?

A3:誤り。
請負人と注文者との間に下請負禁止特約があっても、請負人と第三者との間で成立した下請負契約の効力には影響を及ぼしません(大判明45.3.16)。この場合、請負人が注文者に対して債務不履行責任を負います。

Q4:請負契約の履行に当たり生じた瑕疵の補修に代わる注文者の損害賠償請求権と請負人の報酬債権は、相殺することができる?

A4:正しい。
注文者は損害賠償請求権を自働債権とし、請負代金請求権を受働債権として相殺することができます(最判昭51.3.4)。

Q5:請負契約に基づく請負人の担保責任は、目的物の引渡し後原則として1年で消滅するが、石造りの土地の工作物については5年で消滅する?

A5:誤り。
請負人の担保責任は、石造りの工作物については10年で消滅します。

請負人の担保責任 期間 参照条文
原則 1年 民法637条
土地の工作物で非堅固なもの 5年 民法638条
地盤の瑕疵
土地の工作物で堅固なもの(石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物) 10年

Q6:請負人が約定期日までに仕事を完成できず、そのために目的物の引渡しができない場合でも、報酬の提供がなければ履行遅滞とならない?

A6:誤り。
完成し、引渡しと同時でなければ報酬を支払う必要がありません(民法633条)。しかし、仕事を完成させることは先履行義務であるため、請負人が約定期日までに仕事が完成できなかった場合は当然に履行遅滞となります。

Q7:注文者は、請負人がその仕事について第三者に損害を加えた場合でも、責任を負わなければならないときがある?

A7:注文者は請負人がその仕事につき、第三者に損害を加えたときは賠償する責任を負わないが、注文又は指図に過失があったときは、注文者は責任を負います(民法716条)。

Q8:労働契約(雇用契約)と請負契約の違いについて教えてください。

A8:労働契約とは、労働者が労働力を提供し、使用者がその労働力に対する対価を支払うことを約した契約をいい、雇用契約ともいいます(民法623条)。一般的に就職するという場合は、この労働契約または雇用契約となります。いわゆる普通の会社員です。

労働契約(雇用契約)の目的は、労務に服することで、 会社の一般的指揮監督関係に入り、一定の規律に従い「労働者」として労務を提供します。 また、賃金、労働時間、休日、休暇などについて、労働基準法、最低賃金法などの労働関係法規が適用されます。

更に、仕事が原因の怪我や病気、通勤中の怪我に対して補償する労災保険法が適用されます。他にも原則として、失業したときに所得補填をする雇用保険法の被保険者や健康保険・厚生年金の被保険者にもなります。

一方、請負契約とは、仕事を完成させることを約束し、仕事の結果に対して報酬を支払う契約です(民法632条)。契約した内容の完成を目的としますので、会社員ではなく、一般的指揮監督関係に入らず事業主として独立して仕事を完成させます。

そのため、労働基準法上の労働者(労働基準法9条)ではありませんから、労働関係の法律の適用はありませんし、健康保険・厚生年金の被保険者にもなりません。

最近、使用者が雇用リスクを避けるために、労働者として雇わず、請負として契約しているケースが増えています。個人と請負や業務委託と称する契約を結んだとしても、会社がその者を指揮命令して労務に服させているなど使用従属労働を行わせている場合には、労働契約とみなされることもあります。

労働者性の判断基準として、仕事の依頼や業務従事で諾否の自由がない、業務遂行について本人の裁量の余地があまりない、勤務時間について拘束される、本人の代わりに他の者が労務提供することが認められていない等が挙げられます。

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