内容証明が届いた場合

 内容証明が届いた場合の返事は必要なのでしょうか。これについては、一定の事由を除き、内容証明で回答する必要はないと考えられます。

 内容証明を受け取ったら、まず書かれている内容を良く読み、書かれていることが真実か否か、こちらに義務違反等がないかを確認し、義務違反等があるのであれば義務を履行することが重要です。

 では、内容証明に書かれていることが事実とは反する場合、若しくは義務違反は確かに存在するが正当な理由がある場合は、どうすれば良いのでしょうか?例えば相手方に責任がある場合などです。

 内容証明は郵便の一種であり手紙です。通常であれば手紙をもらえば、返事を返すということはマナーであります。そこで、内容証明にも返事は必要なのか、そしてその返事は同じように内容証明で出すべきなのかという問題があります。

 内容証明の場合、必ずしも返事が必要というわけではありません。事案によっては、あえて何の返答もしないこともあります。また、内容証明の返事は何も内容証明でする必要はありません。事案によっては内容証明で返事を出した方が良い場合もありますが、ほとんどの事案の場合、普通郵便、電話、メール、FAX等でも問題ありません。

 では、返事を出さなければいけない事案というのはどのような事案なのでしょうか。以下に一例を挙げてみました。

(1)遠隔地の事業者から契約の申し込みがあった時
 例えば、大阪の事業者から東京の事業者へ契約の申し込みがあったにも関わらず、相当期間返答せずに放っておくとその契約の申し込みはなかったことになります。

(2)通常の商取引の申し込みがあった時
 事業者が販売する商品について、買いたいという契約の申し込みを受けた時は、直ちに売るか売らないかの返答をしないと、売ることを承諾したものとみなされます。

(3)制限能力者の能力回復後の追認請求
 未成年や成年被後見人等の制限能力者が単独で行った行為は取り消すことができます。未成年が成年に達したり、後見の審判が取り消された者に1ヶ月以上の期間を定めて、制限能力者時代に行った行為について追認するかどうかの請求をすることができ、その期間内に返答をしない場合、その行為を追認したものとみなされ、取り消すことができなくなります。

(4)無権代理についての追認請求
 無権代理人が行った行為については、本人の追認がない限り無効となります。この場合、相手方は相当の期間を定めて本人に無権代理人の行為を追認するか否かの返答を請求することができます。期間内に本人より返答がない場合、本人は追認しなかったものとみなされます。

(5)選択債権の選択請求の通知を受けた時
 選択債権(AかBのどちらかをもらえる約束)で、持ち主がどちらをくれるかを決めない場合、債権者は相当の期間を決めて、どちらか決めてくれと請求することができます。この期間内に債務者より返答がない場合、選択権は債務者から債権者に移ることになります。

(6)解除するか否かの通知
 契約を解除できるのに解除しないでいる場合、相手方は相当の期間を定めて解除するか否かの返答を請求することができます。期間内に返答がない場合、解除権は消滅し、契約の解除ができなくなります。

(7)相続を受けるか否かの通知
 相続に従うか否かは相続人が自由に決定することができます。相続は、何もプラスの財産のみならずマイナスの財産の場合もありますので、相続を承諾することも放棄することも自由です。しかし、関係者より相当の期間を定めて相続を承諾するか、放棄するかの返答を求められた場合は、期間内に返答をしないと相続を承諾したものとみなされます。

 上記は、返答をしないと不利益になる事例ですが、たとえ不利益がなくても、送られた内容証明に返答を出さないと相手の言い分をすべて認めたようで納得がいかないと思う人も多くいます。

 そのような場合、気をつけなくてはならないことがあります。「必要以上のことは書かない」ということです。相手方はこちらの考えや情報を引き出したくて内容証明を送付していることも考えられます。

 例えば、借用書のない貸金契約の場合です。借用書がないので貸金契約が確かにあったことを証明できないのです。そこで、内容証明の通知後、相手方からの内容証明による回答で「借りたお金はいついつまでに返します。」という文面がくれば、債務について認めたことになり、借用書がなくても契約が存在することを立証することが可能になります。

 つまり、内容証明に対する返答は、一定の事由を除き、内容証明で回答する必要はなく、むしろ口頭や普通郵便の方が証拠として残りにくいため不利になることが少ないのです。もちろん、モラルやマナー的には返事は必要ですが、事案によって検討するほうが良いでしょう。

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