会社法

第2編 株式会社 第4章 機関 8節〜11節(390条〜430条)
第8節 監査役会
第1款 権限等
 390条 1項 監査役会は、すべての監査役で組織する。
2項 監査役会は、次に掲げる職務を行う。ただし、第3号の決定は、監査役の権限の行使を妨げることはできない。
 1号 監査報告の作成
 2号 常勤の監査役の選定及び解職
 3号 監査の方針、監査役会設置会社の業務及び財産の状況の調査の方法その他の監査役の職務の執行に関する事項の決定
3項 監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならない。
4項 監査役は、監査役会の求めがあるときは、いつでもその職務の執行の状況を監査役会に報告しなければならない。
第2款 運営
(招集権者)
 391条
監査役会は、各監査役が招集する。
(招集手続)
 392条
1項 監査役会を招集するには、監査役は、監査役会の日の1週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各監査役に対してその通知を発しなければならない。
2項 前項の規定にかかわらず、監査役会は、監査役の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
(監査役会の決議)
 393条
1項 監査役会の決議は、監査役の過半数をもって行う。
2項 監査役会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した監査役は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
3項 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
4項 監査役会の決議に参加した監査役であって第2項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
(議事録)
 394条
1項 監査役会設置会社は、監査役会の日から10年間、前条第2項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
2項 監査役会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、次に掲げる請求をすることができる。
 1号 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
 2号 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3項 前項の規定は、監査役会設置会社の債権者が役員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
4項 裁判所は、第2項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該監査役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第2項の許可をすることができない。
(監査役会への報告の省略)
 395条
取締役、会計参与、監査役又は会計監査人が監査役の全員に対して監査役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を監査役会へ報告することを要しない。
第9節 会計監査人
(会計監査人の権限等)
 396条
1項 会計監査人は、次章の定めるところにより、株式会社の計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
2項 会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は取締役及び会計参与並びに支配人その他の使用人に対し、会計に関する報告を求めることができる。
 1号 会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
 2号 会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3項 会計監査人は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人設置会社の子会社に対して会計に関する報告を求め、又は会計監査人設置会社若しくはその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
4項 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
5項 会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
 1号 第337条第3項第1号又は第2号に掲げる者
 2号 会計監査人設置会社又はその子会社の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役又は支配人その他の使用人である者
 3号 会計監査人設置会社又はその子会社から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
6項 委員会設置会社における第2項の規定の適用については、同項中「取締役」とあるのは、「執行役、取締役」とする。
(監査役に対する報告)
 397条
1項 会計監査人は、その職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、遅滞なく、これを監査役に報告しなければならない。
2項 監査役は、その職務を行うため必要があるときは、会計監査人に対し、その監査に関する報告を求めることができる。
3項 監査役会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会」とする。
4項 委員会設置会社における第1項及び第2項の規定の適用については、第1項中「取締役」とあるのは「執行役又は取締役」と、「監査役」とあるのは「監査委員会」と、第2項中「監査役」とあるのは「監査委員会が選定した監査委員会の委員」とする。
(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述)
 398条
1項 第396条第1項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。
2項 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。
3項 監査役会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査役会又は監査役」とする。
4項 委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役」とあるのは、「監査委員会又はその委員」とする。
(会計監査人の報酬等の決定に関する監査役の関与)
 399条
1項 取締役は、会計監査人又は一時会計監査人の職務を行うべき者の報酬等を定める場合には、監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)の同意を得なければならない。
2項 監査役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査役会」とする。
3項 委員会設置会社における第1項の規定の適用については、同項中「監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数)」とあるのは、「監査委員会」とする。
第10節 委員会及び執行役
第1款 委員の選定、執行役の選任等
(委員の選定等)
 400条
1項 各委員会は、委員3人以上で組織する。
2項 各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
3項 各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。
4項 監査委員会の委員(以下「監査委員」という。)は、委員会設置会社若しくはその子会社の執行役若しくは業務執行取締役又は委員会設置会社の子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは支配人その他の使用人を兼ねることができない。
(委員の解職等)
 401条
1項 各委員会の委員は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。
2項 前条第1項に規定する各委員会の委員の員数(定款で4人以上の員数を定めたときは、その員数)が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した委員は、新たに選定された委員(次項の一時委員の職務を行うべき者を含む。)が就任するまで、なお委員としての権利義務を有する。
3項 前項に規定する場合において、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより、一時委員の職務を行うべき者を選任することができる。
4項 裁判所は、前項の一時委員の職務を行うべき者を選任した場合には、委員会設置会社がその者に対して支払う報酬の額を定めることができる。
(執行役の選任等)
 402条
1項 委員会設置会社には、1人又は2人以上の執行役を置かなければならない。
2項 執行役は、取締役会の決議によって選任する。
3項 委員会設置会社と執行役との関係は、委任に関する規定に従う。
4項 第331条第1項の規定は、執行役について準用する。
5項 株式会社は、執行役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない委員会設置会社については、この限りでない。
6項 執行役は、取締役を兼ねることができる。
7項 執行役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結後最初に招集される取締役会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を短縮することを妨げない。
8項 前項の規定にかかわらず、委員会設置会社が委員会を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、執行役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。
(執行役の解任等)
 403条
1項 執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解任することができる。
2項 前項の規定により解任された執行役は、その解任について正当な理由がある場合を除き、委員会設置会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
3項 第401条第2項から第4項までの規定は、執行役が欠けた場合又は定款で定めた執行役の員数が欠けた場合について準用する。
第2款 委員会の権限等
(委員会の権限等)
 404条
1項 指名委員会は、株主総会に提出する取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の選任及び解任に関する議案の内容を決定する。
2項 監査委員会は、次に掲げる職務を行う。
 1号 執行役等(執行役及び取締役をいい、会計参与設置会社にあっては、執行役、取締役及び会計参与をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
 2号 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定
3項 報酬委員会は、第361条第1項並びに第379条第1項及び第2項の規定にかかわらず、執行役等の個人別の報酬等の内容を決定する。執行役が委員会設置会社の支配人その他の使用人を兼ねているときは、当該支配人その他の使用人の報酬等の内容についても、同様とする。
4項 委員がその職務の執行(当該委員が所属する委員会の職務の執行に関するものに限る。以下この項において同じ。)について委員会設置会社に対して次に掲げる請求をしたときは、当該委員会設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該委員の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
 1号 費用の前払の請求
 2号 支出をした費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
 3号 負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求
(監査委員会による調査)
 405条
1項 監査委員会が選定する監査委員は、いつでも、執行役等及び支配人その他の使用人に対し、その職務の執行に関する事項の報告を求め、又は委員会設置会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
2項 監査委員会が選定する監査委員は、監査委員会の職務を執行するため必要があるときは、委員会設置会社の子会社に対して事業の報告を求め、又はその子会社の業務及び財産の状況の調査をすることができる。
3項 前項の子会社は、正当な理由があるときは、同項の報告又は調査を拒むことができる。
4項 第1項及び第2項の監査委員は、当該各項の報告の徴収又は調査に関する事項についての監査委員会の決議があるときは、これに従わなければならない。
(取締役会への報告義務)
 406条
監査委員は、執行役又は取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役会に報告しなければならない。
(監査委員による執行役等の行為の差止め)
 407条
1項 監査委員は、執行役又は取締役が委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該委員会設置会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役又は取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2項 前項の場合において、裁判所が仮処分をもって同項の執行役又は取締役に対し、その行為をやめることを命ずるときは、担保を立てさせないものとする。
(委員会設置会社と執行役又は取締役との間の訴えにおける会社の代表等)
 408条
1項 第420条第3項において準用する第349条第4項の規定並びに第353条及び第364条の規定にかかわらず、委員会設置会社が執行役(執行役であった者を含む。以下この条において同じ。)若しくは取締役(取締役であった者を含む。以下この条において同じ。)に対し、又は執行役若しくは取締役が委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、当該訴えについては、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が委員会設置会社を代表する。
 1号 監査委員が当該訴えに係る訴訟の当事者である場合 取締役会が定める者(株主総会が当該訴えについて委員会設置会社を代表する者を定めた場合にあっては、その者)
 2号 前号に掲げる場合以外の場合 監査委員会が選定する監査委員
2項 前項の規定にかかわらず、執行役又は取締役が委員会設置会社に対して訴えを提起する場合には、監査委員(当該訴えを提起する者であるものを除く。)に対してされた訴状の送達は、当該委員会設置会社に対して効力を有する。
3項 第420条第3項において準用する第349条第4項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、監査委員が委員会設置会社を代表する。
 1号 委員会設置会社が第847条第1項の規定による請求(執行役又は取締役の責任を追及する訴えの提起の請求に限る。)を受ける場合(当該監査委員が当該訴えに係る訴訟の相手方となる場合を除く。)
 2号 委員会設置会社が第849条第3項の訴訟告知(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係るものに限る。)並びに第850条第2項の規定による通知及び催告(執行役又は取締役の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解に関するものに限る。)を受ける場合(当該監査委員がこれらの訴えに係る訴訟の当事者である場合を除く。)
(報酬委員会による報酬の決定の方法等)
 409条
1項 報酬委員会は、執行役等の個人別の報酬等の内容に係る決定に関する方針を定めなければならない。
2項 報酬委員会は、第404条第3項の規定による決定をするには、前項の方針に従わなければならない。
3項 報酬委員会は、次の各号に掲げるものを執行役等の個人別の報酬等とする場合には、その内容として、当該各号に定める事項を決定しなければならない。ただし、会計参与の個人別の報酬等は、第1号に掲げるものでなければならない。
 1号 額が確定しているもの 個人別の額
 2号 額が確定していないもの 個人別の具体的な算定方法
 3号 金銭でないもの 個人別の具体的な内容
第3款 委員会の運営
(招集権者)
 410条
委員会は、当該委員会の各委員が招集する。
(招集手続等)
 411条
1項 委員会を招集するには、その委員は、委員会の日の1週間(これを下回る期間を取締役会で定めた場合にあっては、その期間)前までに、当該委員会の各委員に対してその通知を発しなければならない。
2項 前項の規定にかかわらず、委員会は、当該委員会の委員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。
3項 執行役等は、委員会の要求があったときは、当該委員会に出席し、当該委員会が求めた事項について説明をしなければならない。
(委員会の決議)
 412条
1項 委員会の決議は、議決に加わることができるその委員の過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。
2項 前項の決議について特別の利害関係を有する委員は、議決に加わることができない。
3項 委員会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成し、議事録が書面をもって作成されているときは、出席した委員は、これに署名し、又は記名押印しなければならない。
4項 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されている場合における当該電磁的記録に記録された事項については、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
5項 委員会の決議に参加した委員であって第3項の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
(議事録)
 413条
1項 委員会設置会社は、委員会の日から10年間、前条第3項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
2項 委員会設置会社の取締役は、次に掲げるものの閲覧及び謄写をすることができる。
 1号 前項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面
 2号 前項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
3項 委員会設置会社の株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第1項の議事録について前項各号に掲げるものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。
4項 前項の規定は、委員会設置会社の債権者が委員の責任を追及するため必要があるとき及び親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
5項 裁判所は、第3項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該委員会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第3項の許可をすることができない。
(委員会への報告の省略)
 414条
執行役、取締役、会計参与又は会計監査人が委員の全員に対して委員会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を委員会へ報告することを要しない。
第4款 委員会設置会社の取締役の権限等
(委員会設置会社の取締役の権限)
 415条
委員会設置会社の取締役は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、委員会設置会社の業務を執行することができない。
(委員会設置会社の取締役会の権限)
 416条
1項 委員会設置会社の取締役会は、第362条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
 1号 次に掲げる事項その他委員会設置会社の業務執行の決定
  イ 経営の基本方針
  ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
  ハ 執行役が2人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
  ニ 次条第2項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
  ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
 2号 執行役等の職務の執行の監督
2項 委員会設置会社の取締役会は、前項第1号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3項 委員会設置会社の取締役会は、第1項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4項 委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、委員会設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
 1号 第136条又は第137条第1項の決定及び第140条第4項の規定による指定
 2号 第165条第3項において読み替えて適用する第156条第1項各号に掲げる事項の決定
 3号 第262条又は第263条第1項の決定
 4号 第298条第1項各号に掲げる事項の決定
 5号 株主総会に提出する議案(取締役、会計参与及び会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関するものを除く。)の内容の決定
 6号 第365条第1項において読み替えて適用する第356条第1項(第419条第2項において読み替えて準用する場合を含む。)の承認
 7号 第366条第1項ただし書の規定による取締役会を招集する取締役の決定
 8号 第400条第2項の規定による委員の選定及び第401条第1項の規定による委員の解職
 9号 第402条第2項の規定による執行役の選任及び第403条第1項の規定による執行役の解任
 10号 第408条第1項第1号の規定による委員会設置会社を代表する者の決定
 11号 第420条第1項前段の規定による代表執行役の選定及び同条第2項の規定による代表執行役の解職
 12号 第426条第1項の規定による定款の定めに基づく第423条第1項の責任の免除
 13号 第436条第3項、第441条第3項及び第444条第5項の承認
 14号 第454条第5項において読み替えて適用する同条第1項の規定により定めなければならないとされる事項の決定
 15号 第467条第1項各号に掲げる行為に係る契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
 16号 合併契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
 17号 吸収分割契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
 18号 新設分割計画(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
 19号 株式交換契約(当該委員会設置会社の株主総会の決議による承認を要しないものを除く。)の内容の決定
 20号 株式移転計画の内容の決定
(委員会設置会社の取締役会の運営)
 417条
1項 委員会設置会社においては、招集権者の定めがある場合であっても、委員会がその委員の中から選定する者は、取締役会を招集することができる。
2項 執行役は、前条第1項第1号ニの取締役に対し、取締役会の目的である事項を示して、取締役会の招集を請求することができる。この場合において、当該請求があった日から5日以内に、当該請求があった日から2週間以内の日を取締役会の日とする取締役会の招集の通知が発せられないときは、当該執行役は、取締役会を招集することができる。
3項 委員会がその委員の中から選定する者は、遅滞なく、当該委員会の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。
4項 執行役は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。この場合において、執行役は、代理人(他の執行役に限る。)により当該報告をすることができる。
5項 執行役は、取締役会の要求があったときは、取締役会に出席し、取締役会が求めた事項について説明をしなければならない。
第5款 執行役の権限等
(執行役の権限)
 418条
1項 執行役は、次に掲げる職務を行う。
 1号 第416条第4項の規定による取締役会の決議によって委任を受けた委員会設置会社の業務の執行の決定
 2号 委員会設置会社の業務の執行
(執行役の監査委員に対する報告義務等)
 419条
1項 執行役は、委員会設置会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときは、直ちに、当該事実を監査委員に報告しなければならない。
2項 第355条、第356条及び第365条第2項の規定は、執行役について準用する。この場合において、第356条第1項中「株主総会」とあるのは「取締役会」と、第365条第2項中「取締役会設置会社においては、第356条第1項各号」とあるのは「第356条第1項各号」と読み替えるものとする。
3項 第357条の規定は、委員会設置会社については、適用しない。
(代表執行役)
 420条
1項 取締役会は、執行役の中から代表執行役を選定しなければならない。この場合において、執行役が1人のときは、その者が代表執行役に選定されたものとする。
2項 代表執行役は、いつでも、取締役会の決議によって解職することができる。
3項 第349条第4項及び第5項の規定は代表執行役について、第352条の規定は民事保全法第56条に規定する仮処分命令により選任された執行役又は代表執行役の職務を代行する者について、第401条第2項から第4項までの規定は代表執行役が欠けた場合又は定款で定めた代表執行役の員数が欠けた場合について、それぞれ準用する。
(表見代表執行役)
 421条
委員会設置会社は、代表執行役以外の執行役に社長、副社長その他委員会設置会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該執行役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。
(株主による執行役の行為の差止め)
 422条
1項 6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、執行役が委員会設置会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該委員会設置会社に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、当該執行役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。
2項 公開会社でない委員会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「6箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。
第11節 役員等の損害賠償責任
(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
 423条
1項 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2項 取締役又は執行役が第356条第1項(第419条第2項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第356条第1項第1号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3項 第356条第1項第2号又は第3号(これらの規定を第419条第2項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
 1号 第356条第1項(第419条第2項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
 2号 株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
 3号 当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(委員会設置会社においては、当該取引が委員会設置会社と取締役との間の取引又は委員会設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)
(株式会社に対する損害賠償責任の免除)
 424条
前条第1項の責任は、総株主の同意がなければ、免除することができない。
(責任の一部免除)
 425条
1項 前条の規定にかかわらず、第423条第1項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、賠償の責任を負う額から次に掲げる額の合計額(第427条第1項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、株主総会の決議によって免除することができる。
 1号 当該役員等がその在職中に株式会社から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の1年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
  イ 代表取締役又は代表執行役 6
  ロ 代表取締役以外の取締役(社外取締役を除く。)又は代表執行役以外の執行役 4
  ハ 社外取締役、会計参与、監査役又は会計監査人 2
 2号 当該役員等が当該株式会社の新株予約権を引き受けた場合(第238条第3項各号に掲げる場合に限る。)における当該新株予約権に関する財産上の利益に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額
2項 前項の場合には、取締役は、同項の株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
 1号 責任の原因となった事実及び賠償の責任を負う額
 2号 前項の規定により免除することができる額の限度及びその算定の根拠
 3号 責任を免除すべき理由及び免除額
3項 監査役設置会社又は委員会設置会社においては、取締役は、第423条第1項の責任の免除(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)に関する議案を株主総会に提出するには、次の各号に掲げる株式会社の区分に応じ、当該各号に定める者の同意を得なければならない。
 1号 監査役設置会社 監査役(監査役が2人以上ある場合にあっては、各監査役)
 2号 委員会設置会社 各監査委員
4項 第1項の決議があった場合において、株式会社が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、株主総会の承認を受けなければならない。当該役員等が同項第2号の新株予約権を当該決議後に行使し、又は譲渡するときも同様とする。
5項 第1項の決議があった場合において、当該役員等が前項の新株予約権を表示する新株予約権証券を所持するときは、当該役員等は、遅滞なく、当該新株予約権証券を株式会社に対し預託しなければならない。この場合において、当該役員等は、同項の譲渡について同項の承認を受けた後でなければ、当該新株予約権証券の返還を求めることができない。
(取締役等による免除に関する定款の定め)
 426条
1項 第424条の規定にかかわらず、監査役設置会社(取締役が2人以上ある場合に限る。)又は委員会設置会社は、第423条第1項の責任について、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第1項の規定により免除することができる額を限度として取締役(当該責任を負う取締役を除く。)の過半数の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
2項 前条第3項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(取締役(監査委員であるものを除く。)及び執行役の責任の免除に限る。)についての取締役の同意を得る場合及び当該責任の免除に関する議案を取締役会に提出する場合について準用する。
3項 第1項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)を行ったときは、取締役は、遅滞なく、前条第2項各号に掲げる事項及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を公告し、又は株主に通知しなければならない。ただし、当該期間は、1箇月を下ることができない。
4項 公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「公告し、又は株主に通知し」とあるのは、「株主に通知し」とする。
5項 総株主(第3項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の100分の3(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する株主が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、株式会社は、第1項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
6項 前条第4項及び第5項の規定は、第1項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。
(責任限定契約)
 427条
1項 第424条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人(以下この条において「社外取締役等」という。)の第423条第1項の責任について、当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
2項 前項の契約を締結した社外取締役等が当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
3項 第425条第3項の規定は、定款を変更して第1項の規定による定款の定め(社外取締役(監査委員であるものを除く。)と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を株主総会に提出する場合について準用する。
4項 第1項の契約を締結した株式会社が、当該契約の相手方である社外取締役等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される株主総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
 1号 第425条第2項第1号及び第2号に掲げる事項
 2号 当該契約の内容及び当該契約を締結した理由
 3号 第423条第1項の損害のうち、当該社外取締役等が賠償する責任を負わないとされた額
5項 第425条第4項及び第5項の規定は、社外取締役等が第1項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。
(取締役が自己のためにした取引に関する特則)
 428条
1項 第356条第1項第2号(第419条第2項において準用する場合を含む。)の取引(自己のためにした取引に限る。)をした取締役又は執行役の第423条第1項の責任は、任務を怠ったことが当該取締役又は執行役の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
2項 前3条の規定は、前項の責任については、適用しない。
(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
 429条
1項 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
2項 次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
 1号 取締役及び執行役 次に掲げる行為
  イ 株式、新株予約権、社債若しくは新株予約権付社債を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知又は当該募集のための当該株式会社の事業その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載若しくは記録
  ロ 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書並びに臨時計算書類に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
  ハ 虚偽の登記
  ニ 虚偽の公告(第440条第3項に規定する措置を含む。)
 2号 会計参与 計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類並びに会計参与報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
 3号 監査役及び監査委員 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
 4号 会計監査人 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
(役員等の連帯責任)
 430条
役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。
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