会社法

第2編 株式会社 第2章 株式 4節〜6節(155条〜195条)
第4節 株式会社による自己の株式の取得
第1款 総則
 155条 1項 株式会社は、次に掲げる場合に限り、当該株式会社の株式を取得することができる。
 1号 第107条第2項第3号イの事由が生じた場合
 2号 第138条第1号ハ又は第2号ハの請求があった場合
 3号 次条第1項の決議があった場合
 4号 第166条第1項の規定による請求があった場合
 5号 第171条第1項の決議があった場合
 6号 第176条第1項の規定による請求をした場合
 7号 第192条第1項の規定による請求があった場合
 8号 第197条第3項各号に掲げる事項を定めた場合
 9号 第234条第4項各号に掲げる事項を定めた場合
 10号 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社が有する当該株式会社の株式を取得する場合
 11号 合併後消滅する会社から当該株式会社の株式を承継する場合
 12号 吸収分割をする会社から当該株式会社の株式を承継する場合
 13号 前各号に掲げる場合のほか、法務省令で定める場合
第2款 株主との合意による取得
第1目 総則
(株式の取得に関する事項の決定)
 156条
1項 株式会社が株主との合意により当該株式会社の株式を有償で取得するには、あらかじめ、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。ただし、第3号の期間は、1年を超えることができない。
 1号 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
 2号 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等(当該株式会社の株式等を除く。以下この款において同じ。)の内容及びその総額
 3号 株式を取得することができる期間
2項 前項の規定は、前条第1号及び第2号並びに第4号から第13号までに掲げる場合には、適用しない。
(取得価格等の決定)
 157条
1項 株式会社は、前条第1項の規定による決定に従い株式を取得しようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 取得する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)
 2号 株式1株を取得するのと引換えに交付する金銭等の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
 3号 株式を取得するのと引換えに交付する金銭等の総額
 4号 株式の譲渡しの申込みの期日
2項 取締役会設置会社においては、前項各号に掲げる事項の決定は、取締役会の決議によらなければならない。
3項 第1項の株式の取得の条件は、同項の規定による決定ごとに、均等に定めなければならない。
(株主に対する通知等)
 158条
1項 株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、前条第1項各号に掲げる事項を通知しなければならない。
2項 公開会社においては、前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
(譲渡しの申込み)
 159条
1項 前条第1項の規定による通知を受けた株主は、その有する株式の譲渡しの申込みをしようとするときは、株式会社に対し、その申込みに係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び数)を明らかにしなければならない。
2項 株式会社は、第157条第1項第4号の期日において、前項の株主が申込みをした株式の譲受けを承諾したものとみなす。ただし、同項の株主が申込みをした株式の総数(以下この項において「申込総数」という。)が同条第1項第1号の数(以下この項において「取得総数」という。)を超えるときは、取得総数を申込総数で除して得た数に前項の株主が申込みをした株式の数を乗じて得た数(その数に1に満たない端数がある場合にあっては、これを切り捨てるものとする。)の株式の譲受けを承諾したものとみなす。
第2目 特定の株主からの取得
(特定の株主からの取得)
 160条
1項 株式会社は、第156条第1項各号に掲げる事項の決定に併せて、同項の株主総会の決議によって、第158条第1項の規定による通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができる。
2項 株式会社は、前項の規定による決定をしようとするときは、法務省令で定める時までに、株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)に対し、次項の規定による請求をすることができる旨を通知しなければならない。
3項 前項の株主は、第1項の特定の株主に自己をも加えたものを同項の株主総会の議案とすることを、法務省令で定める時までに、請求することができる。
4項 第1項の特定の株主は、第156条第1項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、第1項の特定の株主以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
5項 第1項の特定の株主を定めた場合における第158条第1項の規定の適用については、同項中「株主(種類株式発行会社にあっては、取得する株式の種類の種類株主)」とあるのは、「第160条第1項の特定の株主」とする。
(市場価格のある株式の取得の特則)
 161条
前条第2項及び第3項の規定は、取得する株式が市場価格のある株式である場合において、当該株式1株を取得するのと引換えに交付する金銭等の額が当該株式1株の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えないときは、適用しない。
(相続人等からの取得の特則)
 162条
1項 第160条第2項及び第3項の規定は、株式会社が株主の相続人その他の一般承継人からその相続その他の一般承継により取得した当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
 1号 株式会社が公開会社である場合
 2号 当該相続人その他の一般承継人が株主総会又は種類株主総会において当該株式について議決権を行使した場合
(子会社からの株式の取得)
 163条
株式会社がその子会社の有する当該株式会社の株式を取得する場合における第156条第1項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)」とする。この場合においては、第157条から第160条までの規定は、適用しない。
(特定の株主からの取得に関する定款の定め)
 164条
1項 株式会社は、株式(種類株式発行会社にあっては、ある種類の株式。次項において同じ。)の取得について第160条第1項の規定による決定をするときは同条第2項及び第3項の規定を適用しない旨を定款で定めることができる。
2項 株式の発行後に定款を変更して当該株式について前項の規定による定款の定めを設け、又は当該定めについての定款の変更(同項の定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとするときは、当該株式を有する株主全員の同意を得なければならない。
第3目 市場取引等による株式の取得
 165条 1項 第157条から第160条までの規定は、株式会社が市場において行う取引又は証券取引法第27条の2第6項に規定する公開買付けの方法(以下この条において「市場取引等」という。)により当該株式会社の株式を取得する場合には、適用しない。
2項 取締役会設置会社は、市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。
3項 前項の規定による定款の定めを設けた場合における第156条第1項の規定の適用については、同項中「株主総会」とあるのは、「株主総会(第165条第1項に規定する場合にあっては、株主総会又は取締役会)」とする。
第3款 取得請求権付株式及び取得条項付株式の取得
第1目 取得請求権付株式の取得の請求
(取得の請求)
 166条
1項 取得請求権付株式の株主は、株式会社に対して、当該株主の有する取得請求権付株式を取得することを請求することができる。ただし、当該取得請求権付株式を取得するのと引換えに第107条第2項第2号ロからホまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が当該請求の日における第461条第2項の分配可能額を超えているときは、この限りでない。
2項 前項の規定による請求は、その請求に係る取得請求権付株式の数(種類株式発行会社にあっては、取得請求権付株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3項 株券発行会社の株主がその有する取得請求権付株式について第1項の規定による請求をしようとするときは、当該取得請求権付株式に係る株券を株券発行会社に提出しなければならない。ただし、当該取得請求権付株式に係る株券が発行されていない場合は、この限りでない。
(効力の発生)
 167条
1項 株式会社は、前条第1項の規定による請求の日に、その請求に係る取得請求権付株式を取得する。
2項 次の各号に掲げる場合には、前条第1項の規定による請求をした株主は、その請求の日に、第107条第2項第2号(種類株式発行会社にあっては、第108条第2項第5号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
 1号 第107条第2項第2号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者
 2号 第107条第2項第2号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者
 3号 第107条第2項第2号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
 4号 第108条第2項第5号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主
3項 前項第4号に掲げる場合において、同号に規定する他の株式の数に1株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。この場合においては、株式会社は、定款に別段の定めがある場合を除き、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額にその端数を乗じて得た額に相当する金銭を前条第1項の規定による請求をした株主に対して交付しなければならない。
 1号 当該株式が市場価格のある株式である場合 当該株式1株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額
 2号 前号に掲げる場合以外の場合 1株当たり純資産額
4項 前項の規定は、当該株式会社の社債及び新株予約権について端数がある場合について準用する。この場合において、同項第2号中「1株当たり純資産額」とあるのは、「法務省令で定める額」と読み替えるものとする。
第2目 取得条項付株式の取得
(取得する日の決定)
 168条
1項 第107条第2項第3号ロに掲げる事項についての定めがある場合には、株式会社は、同号ロの日を株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2項 第107条第2項第3号ロの日を定めたときは、株式会社は、取得条項付株式の株主(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、次条第1項の規定により決定した取得条項付株式の株主)及びその登録株式質権者に対し、当該日の2週間前までに、当該日を通知しなければならない。
3項 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
(取得する株式の決定等)
 169条
1項 株式会社は、第107条第2項第3号ハに掲げる事項についての定めがある場合において、取得条項付株式を取得しようとするときは、その取得する取得条項付株式を決定しなければならない。
2項 前項の取得条項付株式は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって定めなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
3項 第1項の規定による決定をしたときは、株式会社は、同項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者に対し、直ちに、当該取得条項付株式を取得する旨を通知しなければならない。
4項 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
(効力の発生等)
 170条
1項 株式会社は、第107条第2項第3号イの事由が生じた日(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、第1号に掲げる日又は第2号に掲げる日のいずれか遅い日。次項及び第5項において同じ。)に、取得条項付株式(同条第2項第3号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第1項の規定により決定したもの。次項において同じ。)を取得する。
 1号 第107条第2項第3号イの事由が生じた日
 2号 前条第3項の規定による通知の日又は同条第4項の公告の日から2週間を経過した日
2項 次の各号に掲げる場合には、取得条項付株式の株主(当該株式会社を除く。)は、第107条第2項第3号イの事由が生じた日に、同号(種類株式発行会社にあっては、第108条第2項第6号)に定める事項についての定めに従い、当該各号に定める者となる。
 1号 第107条第2項第3号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの社債の社債権者
 2号 第107条第2項第3号ホに掲げる事項についての定めがある場合 同号ホの新株予約権の新株予約権者
 3号 第107条第2項第3号ヘに掲げる事項についての定めがある場合 同号ヘの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
 4号 第108条第2項第6号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの他の株式の株主
3項 株式会社は、第107条第2項第3号イの事由が生じた後、遅滞なく、取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者(同号ハに掲げる事項についての定めがある場合にあっては、前条第1項の規定により決定した取得条項付株式の株主及びその登録株式質権者)に対し、当該事由が生じた旨を通知しなければならない。ただし、第168条第2項の規定による通知又は同条第3項の公告をしたときは、この限りでない。
4項 前項本文の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
5項 前各項の規定は、取得条項付株式を取得するのと引換えに第107条第2項第3号ニからトまでに規定する財産を交付する場合において、これらの財産の帳簿価額が同号イの事由が生じた日における第461条第2項の分配可能額を超えているときは、適用しない。
第4款 全部取得条項付種類株式の取得
(全部取得条項付種類株式の取得に関する決定)
 171条
1項 全部取得条項付種類株式(第108条第1項第7号に掲げる事項についての定めがある種類の株式をいう。以下この款において同じ。)を発行した種類株式発行会社は、株主総会の決議によって、全部取得条項付種類株式の全部を取得することができる。この場合においては、当該株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等を交付するときは、当該金銭等(以下この条において「取得対価」という。)についての次に掲げる事項
  イ 当該取得対価が当該株式会社の株式であるときは、当該株式の種類及び種類ごとの数又はその数の算定方法
  ロ 当該取得対価が当該株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
  ハ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
  ニ 当該取得対価が当該株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
  ホ 当該取得対価が当該株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
 2号 前号に規定する場合には、全部取得条項付種類株式の株主に対する取得対価の割当てに関する事項
 3号 株式会社が全部取得条項付種類株式を取得する日(以下この款において「取得日」という。)
2項 前項第2号に掲げる事項についての定めは、株主(当該株式会社を除く。)の有する全部取得条項付種類株式の数に応じて取得対価を割り当てることを内容とするものでなければならない。
3項 取締役は、第1項の株主総会において、全部取得条項付種類株式の全部を取得することを必要とする理由を説明しなければならない。
(裁判所に対する価格の決定の申立て)
 172条
1項 前条第1項各号に掲げる事項を定めた場合には、次に掲げる株主は、同項の株主総会の日から20日以内に、裁判所に対し、株式会社による全部取得条項付種類株式の取得の価格の決定の申立てをすることができる。
 1号 当該株主総会に先立って当該株式会社による全部取得条項付種類株式の取得に反対する旨を当該株式会社に対し通知し、かつ、当該株主総会において当該取得に反対した株主(当該株主総会において議決権を行使することができるものに限る。)
 2号 当該株主総会において議決権を行使することができない株主
2項 株式会社は、裁判所の決定した価格に対する取得日後の年6分の利率により算定した利息をも支払わなければならない。
(効力の発生)
 173条
1項 株式会社は、取得日に、全部取得条項付種類株式の全部を取得する。
2項 次の各号に掲げる場合には、当該株式会社以外の全部取得条項付種類株式の株主は、取得日に、第171条第1項の株主総会の決議による定めに従い、当該各号に定める者となる。
 1号 第171条第1項第1号イに掲げる事項についての定めがある場合 同号イの株式の株主
 2号 第171条第1項第1号ロに掲げる事項についての定めがある場合 同号ロの社債の社債権者
 3号 第171条第1項第1号ハに掲げる事項についての定めがある場合 同号ハの新株予約権の新株予約権者
 4号 第171条第1項第1号ニに掲げる事項についての定めがある場合 同号ニの新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者
第5款 相続人等に対する売渡しの請求
(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
 174条
株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。
(売渡しの請求の決定)
 175条
1項 株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第1項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 次条第1項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
 2号 前号の株式を有する者の氏名又は名称
2項 前項第2号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
(売渡しの請求)
 176条
1項 株式会社は、前条第1項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第2号の者に対し、同項第1号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から1年を経過したときは、この限りでない。
2項 前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3項 株式会社は、いつでも、第1項の規定による請求を撤回することができる。
(売買価格の決定)
 177条
1項 前条第1項の規定による請求があった場合には、第175条第1項第1号の株式の売買価格は、株式会社と同項第2号の者との協議によって定める。
2項 株式会社又は第175条第1項第2号の者は、前条第1項の規定による請求があった日から20日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。
3項 裁判所は、前項の決定をするには、前条第1項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。
4項 第1項の規定にかかわらず、第2項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第175条第1項第1号の株式の売買価格とする。
5項 第2項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第1項の協議が調った場合を除く。)は、前条第1項の規定による請求は、その効力を失う。
第6款 株式の消却
 178条 1項 株式会社は、自己株式を消却することができる。この場合においては、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。
2項 取締役会設置会社においては、前項後段の規定による決定は、取締役会の決議によらなければならない。
 179条 削除
第5節 株式の併合等
第1款 株式の併合
(株式の併合)
 180条
1項 株式会社は、株式の併合をすることができる。
2項 株式会社は、株式の併合をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 併合の割合
 2号 株式の併合がその効力を生ずる日
 3号 株式会社が種類株式発行会社である場合には、併合する株式の種類
3項 取締役は、前項の株主総会において、株式の併合をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
(株主に対する通知等)
 181条
1項 株式会社は、前条第2項第2号の日の2週間前までに、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の種類株主。次条において同じ。)及びその登録株式質権者に対し、同項各号に掲げる事項を通知しなければならない。
2項 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
(効力の発生)
 182条
株主は、第180条第2項第2号の日に、その日の前日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式。以下この条において同じ。)の数に同項第1号の割合を乗じて得た数の株式の株主となる。
第2款 株式の分割
(株式の分割)
 183条
1項 株式会社は、株式の分割をすることができる。
2項 株式会社は、株式の分割をしようとするときは、その都度、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 株式の分割により増加する株式の総数の株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、第3号の種類の発行済株式)の総数に対する割合及び当該株式の分割に係る基準日
 2号 株式の分割がその効力を生ずる日
 3号 株式会社が種類株式発行会社である場合には、分割する株式の種類
(効力の発生等)
 184条
1項 基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている株主(種類株式発行会社にあっては、基準日において株主名簿に記載され、又は記録されている前条第2項第3号の種類の種類株主)は、同項第2号の日に、基準日に有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式。以下この項において同じ。)の数に同条第2項第1号の割合を乗じて得た数の株式を取得する。
2項 株式会社(現に2以上の種類の株式を発行しているものを除く。)は、第466条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、前条第2項第2号の日における発行可能株式総数をその日の前日の発行可能株式総数に同項第1号の割合を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができる。
第3款 株式無償割当て
(株式無償割当て)
 185条
株式会社は、株主(種類株式発行会社にあっては、ある種類の種類株主)に対して新たに払込みをさせないで当該株式会社の株式の割当て(以下この款において「株式無償割当て」という。)をすることができる。
(株式無償割当てに関する事項の決定)
 186条
1項 株式会社は、株式無償割当てをしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければならない。
 1号 株主に割り当てる株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
 2号 当該株式無償割当てがその効力を生ずる日
 3号 株式会社が種類株式発行会社である場合には、当該株式無償割当てを受ける株主の有する株式の種類
2項 前項第1号に掲げる事項についての定めは、当該株式会社以外の株主(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の種類株主)の有する株式(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の株式)の数に応じて同項第1号の株式を割り当てることを内容とするものでなければならない。
3項 第1項各号に掲げる事項の決定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
(株式無償割当ての効力の発生等)
 187条
1項 前条第1項第1号の株式の割当てを受けた株主は、同項第2号の日に、同項第1号の株式の株主となる。
2項 株式会社は、前条第1項第2号の日後遅滞なく、株主(種類株式発行会社にあっては、同項第3号の種類の種類株主)及びその登録株式質権者に対し、当該株主が割当てを受けた株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を通知しなければならない。
第6節 単元株式数
第1款 総則
(単元株式数)
 188条
1項 株式会社は、その発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において1個の議決権を行使することができる1単元の株式とする旨を定款で定めることができる。
2項 前項の一定の数は、法務省令で定める数を超えることはできない。
3項 種類株式発行会社においては、単元株式数は、株式の種類ごとに定めなければならない。
(単元未満株式についての権利の制限等)
 189条
1項 単元株式数に満たない数の株式(以下「単元未満株式」という。)を有する株主(以下「単元未満株主」という。)は、その有する単元未満株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使することができない。
2項 株式会社は、単元未満株主が当該単元未満株式について次に掲げる権利以外の権利の全部又は一部を行使することができない旨を定款で定めることができる。
 1号 第171条第1項第1号に規定する取得対価の交付を受ける権利
 2号 株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
 3号 第185条に規定する株式無償割当てを受ける権利
 4号 第192条第1項の規定により単元未満株式を買い取ることを請求する権利
 5号 残余財産の分配を受ける権利
 6号 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める権利
3項 株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができる。
(理由の開示)
 190条
単元株式数を定める場合には、取締役は、当該単元株式数を定める定款の変更を目的とする株主総会において、当該単元株式数を定めることを必要とする理由を説明しなければならない。
(定款変更手続の特則)
 191条
1項 株式会社は、次のいずれにも該当する場合には、第466条の規定にかかわらず、株主総会の決議によらないで、単元株式数(種類株式発行会社にあっては、各種類の株式の単元株式数。以下この条において同じ。)を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設ける定款の変更をすることができる。
 1号 株式の分割と同時に単元株式数を増加し、又は単元株式数についての定款の定めを設けるものであること。
 2号 イに掲げる数がロに掲げる数を下回るものでないこと。
  イ 当該定款の変更後において各株主がそれぞれ有する株式の数を単元株式数で除して得た数
  ロ 当該定款の変更前において各株主がそれぞれ有する株式の数(単元株式数を定めている場合にあっては、当該株式の数を単元株式数で除して得た数)
第2款 単元未満株主の買取請求
(単元未満株式の買取りの請求)
 192条
1項 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができる。
2項 前項の規定による請求は、その請求に係る単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3項 第1項の規定による請求をした単元未満株主は、株式会社の承諾を得た場合に限り、当該請求を撤回することができる。
(単元未満株式の価格の決定)
 193条
1項 前条第1項の規定による請求があった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める額をもって当該請求に係る単元未満株式の価格とする。
 1号 当該単元未満株式が市場価格のある株式である場合 当該単元未満株式の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額
 2号 前号に掲げる場合以外の場合 株式会社と前条第1項の規定による請求をした単元未満株主との協議によって定める額
2項 前項第2号に掲げる場合には、前条第1項の規定による請求をした単元未満株主又は株式会社は、当該請求をした日から20日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3項 裁判所は、前項の決定をするには、前条第1項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。
4項 第1項の規定にかかわらず、第2項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって当該単元未満株式の価格とする。
5項 第1項の規定にかかわらず、同項第2号に掲げる場合において、第2項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第1項第2号の協議が調った場合を除く。)は、1株当たり純資産額に前条第1項の規定による請求に係る単元未満株式の数を乗じて得た額をもって当該単元未満株式の価格とする。
6項 前条第1項の規定による請求に係る株式の買取りは、当該株式の代金の支払の時に、その効力を生ずる。
7項 株券発行会社は、株券が発行されている株式につき前条第1項の規定による請求があったときは、株券と引換えに、その請求に係る株式の代金を支払わなければならない。
第3款 単元未満株主の売渡請求
 194条 1項 株式会社は、単元未満株主が当該株式会社に対して単元未満株式売渡請求(単元未満株主が有する単元未満株式の数と併せて単元株式数となる数の株式を当該単元未満株主に売り渡すことを請求することをいう。以下この条において同じ。)をすることができる旨を定款で定めることができる。
2項 単元未満株式売渡請求は、当該単元未満株主に売り渡す単元未満株式の数(種類株式発行会社にあっては、単元未満株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3項 単元未満株式売渡請求を受けた株式会社は、当該単元未満株式売渡請求を受けた時に前項の単元未満株式の数に相当する数の株式を有しない場合を除き、自己株式を当該単元未満株主に売り渡さなければならない。
4項 第192条第3項及び前条第1項から第6項までの規定は、単元未満株式売渡請求について準用する。
第4款 単元株式数の変更等
 195条 1項 株式会社は、第466条の規定にかかわらず、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、定款を変更して単元株式数を減少し、又は単元株式数についての定款の定めを廃止することができる。
2項 前項の規定により定款の変更をした場合には、株式会社は、当該定款の変更の効力が生じた日以後遅滞なく、その株主(種類株式発行会社にあっては、同項の規定により単元株式数を変更した種類の種類株主)に対し、当該定款の変更をした旨を通知しなければならない。
3項 前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。
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